お知らせ
麗澤大学 情報・データサイエンス教育センターが「大学ICT推進協議会(AXIES)2025年度年次大会」で発表
2025年12月1日~3日に札幌コンベンションセンターで行われた「大学ICT推進協議会2025年度年次大会」において、麗澤大学 情報・データサイエンス教育センターが情報教育に関する研究発表並びにDX推進に関する発表を行いました。
【発表内容】
・「情報教育に対する大学新入生の意識は変化したのか:2024・2025 年度新入生アンケート結果比較」
中園長新(国際学部)
大学新入生が「情報」という概念をどのように捉え、高等学校での情報教育がどのように影響しているかを、昨年度と今年度の結果を基に分析・考察しました。
その結果、「情報」という概念の捉え方については、ICTの使い方にとどまらず、社会理解やコミュニケーション、判断材料など広い意味で捉えている点が両年度で共通しており、制度改訂による大きな差異は見られませんでした。一方で、高校で学んだ内容には違いがあり、昨年度の調査で多かったタイピングやMicrosoft Officeソフト(Word、Excel、PowerPoint)に加え、今年度は学習指導要領改訂の影響からプログラミングへの言及が増加しました。しかし依然としてスキル習得に偏った回答が多数を占め、高校の授業実態が必ずしも本質的な情報教育に至っていないことが示唆されました。
さらに、履修した情報科目名を覚えていない学生が一定数いることから、情報科そのものへの関心が高くない状況も明らかとなりました。
今後は、新課程で学んだ学生が増える中で、情報科そのものへの学習意欲を高め、スキル習得にとどまらない情報活用能力の育成を重視した授業づくりが求められます。社会の情報化が進む中で、こうした本質的な学びの実現に向けて情報教育の在り方を引き続き検討していきます。


・「学園全体のDX推進に向けた業務可視化と効率化の実践 ― DX&業務効率化推進委員会の取組み ―」
山田大智(情報・データサイエンス教育センター), 仲諒太朗(情報・データサイエンス教育センター), 吉田健一郎(経営学部),
神田彰信(情報・データサイエンス教育センター), 加藤国雄(情報・データサイエンス教育センター)
学園全体のDX推進に向け、2024年度と2025年度の事務職員業務効率化に向けた業務可視化と業務改善の取組みの効果をまとめました。
2024年度は134件の改善案件が検討され、RPAやチャットボット導入などにより約3,000時間の作業削減を達成するなど、DXによる効率化の成果が確認されました。一方で、多忙部署への配慮不足や、委員会活動が限定的な範囲にとどまったことから、学園全体を巻き込む基盤づくりには課題が残っていました。
こうした反省を踏まえ、2025年度は職員の業務棚卸しによる可視化や業務フロー図作成を引き続き推進し、成功事例を横展開する仕組みを整備しています。また、Google Workspace 活用や生成AIを含むDXリテラシーの底上げを進め、アジャイル型PDCAによって改善が継続的に進む文化の醸成を目指しています。
今後は削減時間といった定量成果に加え、運用の改善による満足度向上などの定性的効果も含めて成果を可視化し、学園全体で共有することが重要となります。各部署の成功事例を標準化し、他部署でも活用可能な仕組みへと発展させることで、持続的な組織変革につながるDXの実現を目指します。












