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教育・研究
2026.02.17

【開催報告】「麗澤・地域連携ゼミナール」全体成果発表会を実施

2026年2月9日(月)、「麗澤・地域連携ゼミナール」全体成果発表会を行いました。

「麗澤・地域連携ゼミナール」は、2019年度より実施している1年次対象のPBL(Project Based Learning)型授業です。4年間の大学生活において、学生が主体的に行動し、課題解決に取り組むための"最初の一歩"として位置付けられています。

成果発表会では、学生たちがこれまでの調査・分析結果や提案内容を発表し、地域の課題に向き合った学びの成果を共有しました。当日は、各受け入れ先の関係者が会場に来場、またはオンラインで聴講し、学生の発表に対してフィードバックを行うなど、実践的な学びを深める機会となりました。

ペット飼育マナー向上に向けた啓発提案(柏市動物愛護ふれあいセンター)

経済学部・土田尚弘准教授が担当するグループは、柏市役所 動物愛護ふれあいセンターを受け入れ先に、「ペットの飼育マナーの向上について」をテーマに取り組みました。柏市ではコロナ禍を契機に犬の飼育数が増加し、それに伴い飼育マナーに関する苦情も増加している状況があります。特に、排泄物の不適切処理やリードの不適切使用、鳴き声などの騒音といったトラブルが課題となっており、適切な管理と周囲への配慮がより一層求められています。

学生は啓発手段として「ポスター」と「動画」の2つを提案し、すべての飼い主が守るべき基本ルールとして「排泄物の適切な処理」「安全なリードの装着」を重点メッセージに設定。ポスターでは多言語対応を取り入れ、動画では動物愛護センターで保護されている犬に協力してもらい具体的な場面を再現するなど、伝わりやすさを重視した工夫が紹介されました。

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孤独・孤立の課題を多角的に捉える提案(柏市福祉政策課)

経済学部・桑原進教授が担当するグループは、柏市役所 福祉政策課と連携し、「孤独・孤立について考える」をテーマに調査を実施しました。全国調査の結果を踏まえ、特に16~19歳の若年層に着目し、孤独・孤立がストレスや健康被害につながる可能性がある点を問題として捉えました。

学生は本学経済学部1年次生を対象に独自のアンケート調査を行い、「孤独を感じる頻度」と「友人等との交流」の関係を分析。また、柏市内の団体や本学の学生相談室、NPO法人、内閣府の孤独・孤立対策推進室など複数の組織にヒアリングを実施し、居場所づくりの現状や課題を整理しました。

発表では、外国人学生の視点から、言語や文化の違いによって支援情報が届きにくい現状にも触れ、やさしい日本語や多言語による情報提供の必要性が提起されました。提案としては、「一人でいられる居場所」を広げること、居場所の認知度向上に向けた広報の強化などが示されました。

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中高生向け生涯学習講座の企画提案(柏市生涯学習課)

国際学部・井上里鶴准教授が担当するグループは、柏市役所 生涯学習課の協力のもと、「近隣センターでの中高生向け生涯学習講座の開催」をテーマに取り組みました。中高生が主体的に学び探究する楽しさを知り、将来の進路や生き方を考えるきっかけをつくることを目的に、講座企画の立案を行いました。

学生は複数の講座案を検討し、中高生との交流会を開催して意見交換を実施。会場にいた中高生34名へのアンケート結果では、「留学ってどんな感じ?」「毎日英語で話そう!」が人気を集めたほか、「留学生と話す」「大学について知る」「プログラミング」「SNSの活用」といったニーズも明らかになりました。

また、近隣センターの認知度が低いことも課題として浮かび上がり、魅力的な講座の実施によって利用促進につなげる提案が示されました。

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BeARIKAを"街の居場所"に育てる提案(東神開発 BeARIKA)

外国語学部・花田太平准教授が担当するグループは、柏高島屋ステーションモール新館にあるコミュニティスペースBeARIKAと連携し、「BeARIKAを"柏の街の居場所"として育てる方法」をテーマに活動しました。

BeARIKAは「職場でも家庭でもない第3の居場所」を掲げ、柏という共通点を通じて穏やかなつながりを生み出す場として運営されています。一方で、主要顧客層の高齢化や次世代ファミリー層の取り込みなどが課題となっており、学生は「意外性のある企画提案」「館全体の回遊を生み出す仕掛け」を目標に設定しました。

活動では、フレグランス作り体験ワークショップや対話型読書会、回遊型クイズイベント「BeARIKA QUEST 2026」などを実施。企画立案から運営までを経験する中で、地域・企業と連携する難しさと重要性を学び、今後の展望として大学オリジナルの香り開発なども提案されました。

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廃校再生を通じた地域共創提案(滋賀県高島市・旧広瀬小学校)

国際学部・黒須里美教授が担当するグループは、麗澤校友会・麗大麗澤会と連携し、滋賀県高島市の旧広瀬小学校を活用した「廃校再生×地域共創-ひろせフル・ネクスト」をテーマに取り組みました。地域住民とともに持続可能な地域活性化の仕組みを共創し、大学と高島市の連携協定を踏まえながら、中高生との協働も視野に入れた提案が行われました。

発表では、地域住民の不信感を解消し「みんなに愛される居場所」をつくるための空き教室活用やイベント開催、学食と高島の野菜を掛け合わせた企画、発酵文化を生かした取組など、多角的な提案が示されました。また、音楽イベント「オープンマイク」などを通じて地域に眠る資源を掘り起こし、交流を生む仕組みづくりについても発表されました。

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地域と共に学ぶPBLの第一歩として

本成果発表会は、学生たちが地域の課題に向き合い、調査・対話・提案という一連のプロセスを経験する貴重な機会となりました。自ら動き、試行錯誤しながら考え抜いた成果を発表する姿からは、今後のPBL学習へつながる確かな成長が感じられました。

麗澤大学では今後も、地域と協働した学びを通じて、学生の主体性と実践力を育むとともに、地域社会への貢献につながる取り組みを推進してまいります。