学生生活学生相談室

コラム
2020.12.11

学生相談室コラム Vol.15 - 推薦図書『おおきなかぶ』

『おおきなかぶ』(福音館書店) / 再話:A.Tolstoi(アレクセイ・トルストイ),訳:内田莉莎子,画:佐藤忠良

ウイルスは乾燥した冬に活性化するといいますが、コロナ禍のなかストレスが溜まりますね。ストレスは免疫力にも影響するそうですから、あまり溜まらないうちに発散していきたいものです。

おうちのなかで、好きな小説を読んだり、映画を見たりするのも、手軽なストレス解消法です。読書なら、マンガや絵本は、絵があるぶん、よりイメージがしやすくて良いですね。今回は、学生相談室で所蔵している絵本のなかから、オススメの本を選んでみました。こころの休憩室にあります。(遠隔授業が中心のため、現在は開室を休んでいますが、対面授業が本格開始されたら開室しますので、そしたら読みに来られますね)

ロシアの昔話を、作家アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイが再話したものです(名作『戦争と平和』を書いたトルストイとは別の人です)。他の人が再話したものもあるので、色々な版が出ていますが、相談室が所蔵しているのはトルストイがリトールドしたものです。有名なお話なので、知っているひともいると思います。たいして、なーんにも起こりません。

ロシアの田舎に住むおじいさんが、"蕪(かぶ)の種"をまきました。「あまくて、おおきなかぶになれ」と。そうしたら、たいへんおおきな蕪に育ちました。収穫しようとしますが、大きすぎて、おじいさんだけでは抜けません。おばあさんを呼んで手伝ってもらいますが、それでも抜けません。おばあさんは孫を、孫は犬を、犬は猫を、猫はネズミを呼んできます。おじいさん、おばあさん、孫、犬、猫、ネズミ、みーんなで協力して力をあわせたら、やっと蕪は抜けました。

たったそれだけのお話です。お互いの服の後ろやシッポを握ってひっぱります。「うんとこ どっこいしょ!」という掛け声とともに。最後に、「やっと、かぶはぬけました。」で終わります。

本当に、たいして、なーんにも起こりません。

ただ、"植えて育てた蕪が抜けない"と、おじいさんにちょっとした困り事が起きるだけ。おばあさんを呼び、二人で抜けないので、孫に助けを求め、三人でも抜けないので、孫は犬を呼び、三人と一匹で抜けないので、犬は猫を呼び、三人と二匹でも抜けないので、猫がネズミを呼び、三人と三匹で、「うんとこ どっこいしょ!」の掛け声とともに力いっぱいひっぱったら、「やっと、かぶはぬけました」んです。おじいさんの困り事が解決しました。

抜けた蕪をどうしたか、わかりませんが。あまいおおきい蕪ですから、きっと美味しく食べたんでしょうね。

学生のみなさん、おじいさんのように困り事ができたら、誰かを呼んでみましょうか。一緒に「うんとこ どっこいしょ!」してくれる人が、いますよ。

とりあえず、周りにいなさそうなら、学生相談室へどうぞ。

学生相談室HPにカウンセリング申込フォームがあります。「うんとこ どっこいしょ!」したくなったら、連絡してください。

https://www.reitaku-u.ac.jp/campuslife/support/counselling/

おおきなかぶ.JPG

学生相談室受付 寺本 敬子