2022年7月7日「道徳経営論A」で、森光 孝雅氏（株式会社 八天堂　代表取締役）による特別講義が開講されました。八天堂は冷やして食べる「くりーむパン」をはじめとした、様々な商品を作り販売している会社です。手土産や自分へのご褒美として買いたくなるような、「ちょっと特別なクリームパン」というポジショニングを選択しています。「くりーむパン」は駅中ショップやインターネットでの販売が中心で、八天堂と他社のコラボレーション商品はスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも取り扱われています。

　森光氏は「人生、今日がはじまり　三方よしへの挑戦」をテーマとして、「良い品、良い人、良い会社つくり」に挑戦し続ける同社の経営理念と、これまでの成り立ちについての講義を展開されました。

　創業者が昭和8年に和菓子屋として広島県三原市に開業、二代目が洋菓子を取り入れ、三代目の同氏がパン屋を開業した後、深刻な経営難に陥った際の経営者としての苦難と、そこからV字回復するまでの経緯についての同氏の臨場感にあふれる講義に受講者は引き込まれました。

　「時代が厳しいとき、悪いとき、逆境こそ真価が問われる」、「正しい努力は成長となって必ず報われる」、「何のために今それをしているのか」と繰り返される同氏の姿に、多くの受講生が感銘を受けたことでしょう。

　講義後、受講生からは「他人に対する利他的な精神が大切だと学びました」、「人を大切にすることがどれだけ重要であるか。深く理解することができました」「過去は変えられないけれど、過去に起きたことに対する考え方は変えられる、という言葉に心をうたれました」といった、感想が寄せられました。

　当科目では、公益財団法人モラロジー道徳教育財団、一般社団法人日本道経会のご協力のもと、同財団　企業センター講師によるテキスト『徳づくりの経営』についての講義に加え、企業経営者による経営体験講義をふまえた道経一体経営論の基礎と応用を学ぶことができます。

　各回、講義後に集まる学生からの質問や感想に対して、授業中または授業後に講師から具体的なフィードバックが行われます。　これまで、11回にわたり道経一体経営を着実に学んできたからこそ、学生は森光氏のお話を深く理解することができるようになっています。丁寧な講義と双方向でのコミュニケーションがはかられた授業が、質の高い学びを支えています。