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教育・研究
2023.08.15|最終更新日:2023.10.25|

【開催報告】株式会社biima 田村代表取締役CEOによる特別講義

 2023年7月18日(火)、福田誠教授が担当する「スポーツマーケティング」の授業において、株式会社biima 代表取締役CEO 田村恵彦氏をお招きして特別講義を実施いたしました。

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 「スポーツマーケティング」の授業は、スポーツ産業だけでなく他の産業にも活用されるマーケティング手法を学びます。スポーツの特異性や消費者の特徴を理解し、広告やメディアを活用する影響力を的確に把握する能力を身につけ、教養としてのスポーツの理解から出発し、スポーツマーケティングの本質を学び、バリューチェーン内のマーケティング戦略を戦略的に立案する能力を養うことを目的とした3・4年次生向けの授業です。

 今回、特別講義をいただいた田村氏が代表取締役CEOを務める株式会社biimaは、「教育にイノベーションを起こし、未来にイノベーションを起こす」をモットーに、21世紀型総合キッズスポーツスクール「biima」、21世紀型幼児教育の総合スポーツ保育園「biima school」、あそびながらバランス能力を鍛えるスポーツトイ「PLAY SPOT」などを手がけ、企業とパートナーシップを組み、教育の変革を推進。スポーツをエンターテイメント×教育と結びつけたマーケティング手法を採用。また、最先端の知識を基にしたコンサル事業を展開し、新たな教育の形を創造している企業です。

 今回の特別講義は「~教育を変えることで、未来を変える~株式会社biima 戦略的試行の講座」のタイトルで行われました。

 講義では、「世の中が大きく変わっている中で、この時代に必要なスキルを子どもたちに教えることができるのか?」を大きな課題として設定し、変化が激しい世の中でも生き残れる人材になるには、100人の中で1番になれるスキルを3つ持ち合わせて「100万人に1人」のオンリーワンのスキルをもつことが重要と田村氏は仰います。このオンリーワンのスキルは、自分の好きなことの裏側にあるということで、学生たちも実際に好きなこと・得意なことをヒントに自分の強みを一緒に考えていきました。「音楽×陸上×チャレンジ精神」など、他人に「勝つ」ではなく「異なる」ことで光るこれからの時代で活かしたい自分だけのスキルを探していきました。

 次に、4人1組のグループに分かれてケーススタディを実施。「学校問題を経営コンサルとして入ったら、校長先生から依頼された課題をどのように解決していくか」をテーマに、2つの課題を考えました。最初の課題は、「生徒は何度言っても廊下を走る。どうにか解決してほしい」です。4分で考案して、1分で1枚の簡単なスライドを作成していきます。「アート作品を活用した目の錯覚を使用して、走りたくなくさせる」「一方通行の廊下を導入する」など、各チームより、自由に考えたアイディアが出ました。

 その後、田村氏より課題解決の本質は、「理想と現実の差を埋めることである」とご説明いただき、VUCA時代(先行きが不透明で将来の予測が困難な時代)で生き抜く為にあらゆる領域で活躍できる人材になる為のビジネススキルの一つである、課題解決力について以下のポイントに沿ってレクチャーいただきました。

  1. 理想(目的・ゴールを決める)・・・「だれがいつまでに、どういう状態になっているか」を分解できなくなるまで、具体的に落とし込む
  2. 現状を正しく把握する・・・感情抜きで、真実から正しく把握する
  3. 課題を正しく把握する・・・なぜ起きているかを、これ以上分解できなくなるまで、落とし込む

 2つ目の課題は、「生徒の忘れ物が多い。忘れ物をしない方法を考えて欲しい」上記のポイントを意識してグループでアイディアを考案。「なぜ忘れ物をしてしまうのか」「そもそもなぜ使った後に持って帰るのか」など、アイディアを挙げるだけだった1回目の発表から、問題定義から入る課題解決へと発展をしていきました。

 ケーススタディは、授業終了時間まで続き最後に田村氏より「課題解決に必要なのは、課題解決力と課題設定力である」というメッセージをいただき特別講義は終了。実際にスポーツ産業や教育業界に数々のイノベーションを起こしている田村氏より、これからの社会で生き抜いていくためのスキルを教えていただける貴重な時間となりました。