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2023.10.23

【学生の活躍】第2回「核なき未来」オピニオン賞の最終選考対象者に選ばれました

 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)が主催する第2回「核なき未来」オピニオン賞の最終選考に、自主企画ゼミナール「ナガサキで考える戦争と原子力」に所属する本学外国語学部2年次生の川津 せりさん、松本 桜季さん、佐々木 真子さんの論文が選ばれました。

 自主企画ゼミナール「ナガサキで考える戦争と原子力」は、外国語学部の1年次科目「グローバルスタディーズ入門 B」(担当:花田太平准教授)で学んだ近現代史に関心をもった13名の学生が立ち上げました。若い世代が戦争を伝えていくことの大切さやその意味を理解すること、戦争を深く知ることを目的としており、6月には長崎県でフィールド調査を実施して長崎原爆資料館や平和公園を見学する他、被爆者体験者講座や平和活動を行うナガサキユースやISSOKUの学生と対話ワークショップを行い、生の声で戦争の恐ろしさや平和の尊さを知って学びを深めてきました。
 (※フィールドワークの様子はこちら

 「核なき未来」オピニオン賞は、若い世代に広く核兵器問題の重要性を訴えるとともに、平和な国際社会の実現に貢献できる人材の育成を図ることを目的とし、「核なき未来」に関するオピニオンを募集するものです。第2回目となる今年度のサブテーマは「核兵器は地球を守れるか?」U-20の部(16歳以上20歳未満)とU-30の部(20歳以上30歳未満)の2部門で審査が行われました。

 審査の結果、見事最終選考に残った川津さん、松本さん、佐々木さんの論文テーマは以下の通りです。
 3名
の論文は、以下URLの長崎大学核兵器廃絶研究センターのHPに公開されています。
 (U-20の部はこちら、U-30の部はこちら)

部門 氏名

論文タイトル

U-20の部 川津 せり

「核なき未来」への考察 現代の若者に求められること

U-20の部 松本 桜季

「伝承としての言葉」から考える核なき未来と平和

U-30の部

佐々木 真子

核なき未来へ向かって生きる私たち

受賞者コメント

(加工済)IMG_9588.jpg
左から:川津さん、松本さん、佐々木さん

 

川津 せりさん

高校や大学の授業で戦争について触れたとき、戦争や原爆を離れた視点でどこか他人事として見てしまっている自分にモヤモヤしていました。現地に行くことで何か変えられるのかもしれない、と思いこの自主企画ゼミナールに参加しました。フィールドワークを通じて、現地で現物に触れ当事者の方からお話を聞き共感し、その想いを現地の大学生と対話することで、「核兵器について知る責任がある」と自分ごと化して捉えられるようになりました。すると、核が抑止として考えられている現状に疑問を持つようになり、今回のフィールドワークで自分が体験したことや感情を周りや次の世代に伝えていくことの方が、核抑止につながるのではないかと思い論文のテーマにしました。戦時中は日本全国が戦火に見舞われていたので、今後は長崎と広島で起きたことだけにフォーカスするのではなく、ほかの地域についても学んでいきたいと思っています。

松本 桜季さん

自主企画ゼミナールに参加したいと思ったきっかけが長崎でのフィールドワークでした。実際に現地に行くと、原爆資料館で見た展示物はもちろんですが、とくに被爆者体験講話で直接お聞きしたお話や、亡くなった被爆者の方が詩や日記などで残された「水が本当に欲しかった」「家族全員が死んだ」など心の底から出たありのままの言葉から、戦争・原爆の恐ろしさを改めて痛感しました。そして、本当の悲惨さを知っている当事者の「言葉」に着目しないまま、世界が核を欲しがり続けている現状に疑問を抱き、今回の論文では「言葉の伝承」をテーマにしました。今回、最終選考まで残していただいたことは嬉しく思いますが、ここで終わりではなく今後も「言葉」を通じて核の恐ろしさを伝承できるよう、取り組んでいきたいです。

佐々木 真子さん

日本人としてこの歴史を伝えていく責任を感じていきたいと思い、自主企画ゼミナールに参加しました。フィールドワークで長崎に行き、目で見て、耳で聞いて、肌で感じることで、資料館の雰囲気や匂い、被爆者の方から聞いたお話などが私の中で映像として残り、忘れられなくなりました。また、私たちと同じタイミングで来ていた小さな女の子が、展示品を見て、ただただ純粋な気持ちで展示物を「綺麗だね」と言っていたことをきっかけに、論文では被爆体験者とまだ戦争を学んでいない世代、そして戦争を学んでいる世代である自分の3世代をつないで継承していくことに焦点を当てました。今回、最優秀賞を受賞できなかった悔しさもありますが、20歳の自分がU-30の部で最終選考まで残れたことが、大きな自信になりました。