お知らせ

教育・研究
2023.10.26|最終更新日:2023.10.27|

【実施報告】東京でフィールドワークを実施
―自主企画ゼミ「ナガサキで考える戦争と原子力」

 6月に長崎原爆資料館・平和公園などを訪れた学生が、花田太平外国語学部准教授障がい学生支援課の半田タユ美氏とともに、9月30日(学生4名)、10月1日(学生7名)の2日間にわたって東京でフィールド調査を実施。都内にある戦争に関する資料館を回り、戦争と平和について学び考えました。

 今回、フィールドワークを行うきっかけとなったのは、1945年3月10日の東京大空襲では、1晩に10万人の方が亡くなっていて、その数は、広島・長崎に匹敵するにも関わらず、広島や長崎の平和資料館のような施設が知られていないのはなぜなのか、どのように継承されているのかという疑問からでした。

 1日目は、東京大空襲・戦災資料センターを訪問し、8歳で東京大空襲を体験された二瓶治代さんからお話しを伺いました。その後、二瓶さんとの交流する場を設け、感想や若い世代の自分たちに何ができるかについて共に語り合うことができました。参加した学生は、「"戦争中の配給はまだ良い方だ、日本は戦争に勝っていると国民に思わせるため少しでも良いものを配給する。本当の食糧危機は戦後だ。"という言葉を耳にし、衝撃を受けた。教科書や資料だけでは知ることのできないことは、やはりとても印象深かった」「自分が燃え盛る炎の中を必死で駆け抜けているような感覚に陥った。二瓶さんの全てのエピソードが胸に沁みて、今こうして生きていることが奇跡であると感じた」「私たちはもう平和学習として行っている若者ではなくて、戦争体験者の記憶や思いを受け止めて次世代に彼らの思いを伝えていく継承者の一人なんだと自分の中で実感した」と感想を記しています。

 当初の予定では、東京大空襲・戦災資料センター訪問後、もう1つ別の資料館を見学に行く予定でしたが、体験者の語りと体験者との対話で胸がいっぱいになり、1日目は1つのみの見学となりました。

  • DSC_0480.JPG
  • DSC_0483.JPG

 2日目は、平和記念資料館等の資料館を訪れ、改めて自分の目で見て実物を見たり、感じること、自分の目で見て知ることの大切さを感じた体験となりました。

 12月6日のグローバル・スタディーズ入門Bの授業で、広島、長崎、東京で行ったフィールドワークで学んだことを中心に発表を行い、受講している学生と対話を通じて、今、起こっている戦争について考えると共に、私たちに何ができるのか共に考える時間を持ちます。また、SDGsフォーラムでも提言する予定です。

<関連情報>

「東京大空襲」から77年、語り部・二瓶治代さんの思い(外部サイトへリンクします)