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教育・研究
2025.03.10

【開催報告】麗澤大学英米文化研究会特別講演会・総会(2025年3月7日)

 麗澤大学外国語学部英語専攻の教員が中心となっている英米文化研究会(Reitaku Society for English and American Cultures)の特別講演会及び総会が、麗澤大学デジタルコミュニケーション研究センター(Center for Digital Communication Research)との共催で2025年3月7日(金)の午前中にオンラインで開催されました。

 研究会会長である日影尚之教授(外国語学部英語専攻)による開会挨拶の後、1人目の講演者として西澤倫助教(外国語学部英語専攻)が登壇し、ハワイ大学に提出した博士論文の内容に基づいた"Adaptation to Foreign Accents"と題する英語での講演を行いました。昨今、第二言語話者として言語を学ぶ際にネイティブと同じ発音に近づけることを重要視する従来の英語教育の問題点や、多様な英語のバラエティ(いわゆるGlobal Englishes)に学習者が身を置く重要性が指摘されています。しかし第二言語習得理論としての研究が不足しているのが現状で、その分野を開拓すべく実験を行った研究の内容と結果が丁寧に紹介されました。そして母語話者の被験結果を基にしたモデルは第二言語話者の学習には必ずしも機能しない点が説明されました。

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 2人目は、デジタルコミュニケーション研究センターの客員研究員であるLuis Gaitan氏(ハーバード教育大学院 院生)が "The State of AI in Higher Education"と題した講演を行いました。Gaitan氏は2024年12月に来日し、本学で生成AIに関するワークショップを実施してくれましたが、今回の講演は、アメリカ合衆国の4大学(ハーヴァード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ノースイースタン大学、ボストン大学)が、ChatGPTが2022年秋に公開されて以降の2年半で、大学での生成AIの使用をめぐってどのような異なる議論や反応をしてきたのかが説明されました。各大学が生成AIを使って課題を行う学生をどのように評価するかという問題に苦しむ一方で、生成AIのさらなる活用を検討している状況にあり、これらの4大学に限らず、それぞれの教育機関の価値観によって異なる対応が取られるべきとのコメントで講演が結ばれました。

 それぞれ大変興味深い内容で、2時間強の講演会の時間がたちまち過ぎていきました。参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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(文責:田中俊弘 外国語学部教授/英米文化研究会庶務)