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2025.12.27

【開催報告】麗澤SDGsフォーラム2025~地球の宿題、学生がガチでやってみた~

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 2025年1223日(火)、麗澤大学にて「麗澤SDGsフォーラム2025~地球の宿題、学生がガチでやってみた~」が開催されました。本フォーラムは、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、本学が建学以来大切にしてきた「三方よし」「道経一体」の理念を踏まえ、学生・教職員をはじめとする学内外の関係者が共に考え、行動する場として2019年度より実施されており、今回で7回目の開催となります。

第1部:地域から考えるSDGsの実践

 第1部のシンポジウムでは、本学卒業生である長崎県平戸市の前市長・麗澤大学客員教授の黒田成彦氏をお迎えし、「『異端』『先端』『最西端』で挑む平戸市のSDGs」をテーマにご講演いただきました。黒田氏は冒頭、SDGsが掲げる目標に対して「どこか"今さら"と感じる部分もある」と率直な問題意識を示し、その違和感を出発点に話を展開しました。

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 講演では、人口減少や高齢化、観光客減少といった地方特有の課題に向き合いながら、地域資源を生かした持続可能なまちづくりに取り組んできた平戸市の実践事例が紹介されました。床屋のない地域で月1回理容師が公民館を訪れる仕組みや、公民館を拠点とした高齢者向け体操・食材提供など、暮らしに寄り添ったコミュニティ事業のほか、空き家や古民家を活用した「泊まれる宿」の整備、町全体を宿に見立てる「アルベルゴ・ディフーゾ・タウン」の構想、自然エネルギーを活用した事業展開など、多角的な挑戦が語られました。

 黒田氏は「田舎だからこそSDGsに生かせる資源がある」と述べ、地域の特性や人のつながりを生かすことが、持続可能な社会づくりにつながると参加者に語りかけました。

第2部:学生プレゼンテーションコンテスト

 第2部では、「~地球の宿題、学生がガチでやってみた~」をテーマに、学内予選を勝ち抜いた9チームによる学生プレゼンテーションコンテストが行われました。地域課題、環境、福祉、テクノロジー、国際問題など、多様なテーマに対し、学生たちが自ら調査・実践してきた成果が発表されました。

 北海道枝幸町との連携実習では、「幸福」を切り口に移住・定住の可能性を探り、現地調査や高校生との協働を通じて得た気づきを共有しました。陳ゼミ・鈴木ゼミは、AIやロボティクスを活用したごみ回収のDX化に挑戦し、現場調査と実証実験を通じて、作業負担や地形条件などの課題を整理しました。さらに、麗澤大学模擬国連団体は、LGBTQ+や核兵器・平和といった国際課題をテーマに、自身の経験も交えながら「若者が世界を変えるために何ができるか」を問い直す発表を行い、学外での模擬国連会議への挑戦についても紹介しました。

 そのほかにも、「高島思い出マップ」の制作や道の駅での新商品開発、ヨーロッパ横断研修で得た学び、自律移動ロボット開発による地域支援、外国につながりを持つ子どもたちへの日本語支援など、実践的な取り組みが数多く発表されました。また、千葉県白井市の名産「梨」を題材に、樹形予測とARを用いて果樹園の剪定・収穫作業を支援する技術の開発に取り組む発表もあり、スマート農業の可能性が示されました。

 さらに、「SDGsと道徳」の授業から選抜された2組が特別枠として発表を行いました。貧困問題を題材に、支援のあり方が本質的な課題解決につながっているのかを問い直す発表や、ジェンダーレストイレを例にSDGsが内包する矛盾や現実とのギャップに着目した発表が行われ、SDGsを「掲げる目標」ではなく「考え続ける課題」として捉える視点が共有されました。

学生プレゼンテーションコンテスト 発表チーム(全9チーム)

  • 北海道枝幸町との連携実習:移住・定住を「幸福」の視点から調査し、現地でのアンケートや高校生との協働で得た気づきを共有
  • 陳セミナー(陳ゼミ・鈴木ゼミ):AI×ロボティクスでごみ回収のDX化に挑戦し、現地調査と実証実験で課題を整理
  • Yohゼミ:「高島思い出マップ」を制作。地域の思い出を可視化し、展示を通じて地元に活動を発信
  • 道の駅かぞわたらせプロジェクト:地産地消と資源循環を意識した新商品を提案し、一部商品化へ
  • 麗澤大学模擬国連団体:「若者が世界を変えるために何ができるか」を問い、国際課題への向き合い方と学外挑戦を紹介
  • ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻 ヨーロッパ横断研修プロジェクト:必修研修での学びを発表。現地での経験から「知った気にならない」姿勢の大切さを共有
  • つくばチャレンジ:自律移動ロボット開発の成果と課題を整理し、地域支援に向けた今後の展望を発表
  • こども日本語支援 すまいる:外国につながりを持つ子どもへの日本語支援活動を紹介し、連携の広がりを共有
  • 津村ゼミ・永田ゼミ・塚田ゼミ・笹尾ゼミ:白井市の梨を題材に、樹形予測とARを用いた剪定・収穫アシスト技術の開発を紹介
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表彰式と出展ブース交流会

 会場では、学内EV(電気自動車)へのラッピングデザインコンテストの表彰式・除幕式も実施され、最優秀賞に選ばれた二宮渓華さんのデザインをラッピングしたEVがお披露目されました。

 また、学生プレゼンテーションコンテストの表彰では、後援会特別賞に麗澤大学模擬国連団体、最優秀賞に津村ゼミ・永田ゼミ・塚田ゼミ・笹尾ゼミの合同グループが選ばれ、黒田氏による総評が行われました。

 フォーラムの締めくくりとなる出展ブース交流会では、ゼミや課外活動団体がSDGsを軸に展示を行い、多くの学生・教職員が分野を越えて交流を深めました。

 本フォーラムは、多くの関係者の協力のもと盛況のうちに終了しました。学生一人ひとりの「ガチな挑戦」が、持続可能な社会の未来へとつながっていくことが期待されます。

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      EVラッピングコンテスト 最優秀賞 二宮渓華さん
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      EV新デザイン
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      プレゼンコンテスト 後援会特別賞 麗澤大学模擬国連団体
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      プレゼンコンテスト 最優秀賞 津村ゼミ・永田ゼミ・塚田ゼミ・笹尾ゼミ
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      Be a Bridge!
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      多文化共生プロジェクト
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      プアン
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      アフリカを学ぶ、アフリカから学ぶ