お知らせ
【学生の活躍】静岡県富士宮市をやさしい日本語の力で活性化(多文化共生プロジェクト)
日本語・国際コミュニケーション(JIC)専攻3年生の多文化共生プロジェクトの一環として集まったメンバーが、これまで授業を通じて学んだ「やさしい日本語」を活用して町おこしに貢献したいという思いから、「富士宮市高砂酒造やさしい日本語化計画」プロジェクトを立ち上げ、活動してきました。そのレポートが届きましたのでご報告いたします。
私たちの活動は、金孝卿教授の助言やご縁を通じて、「静岡県富士宮市が外国人観光客にとって魅力的な街である」との情報を得たことから始まりました。実際にフィールドワークで訪れてみると、富士宮市の人々の温かさ、歴史ある街並み、文化的価値を持つ建物や神社など、多くの魅力を実感しました。その中の出会いの一つに富士高砂酒蔵がありました。富士高砂酒蔵の造るお酒へのこだわり、その歴史は大変素晴らしく、日本だけでなく世界でも受賞歴があるほどです。しかし、案内やチラシの中に難解な日本語が含まれており、外国人観光客にとって分かりにくい部分があると感じました。
私たちは、日本人、韓国人、中国人からなる多国籍なグループで構成され、異なる視点を尊重しながら意見を交わし、活動を進めてきました。このフィールドワークをきっかけに、外国人観光客にも分かりやすく、酒蔵の魅力をより効果的に伝える取り組みを通じて、富士宮市の地域活性化を目指すことにしました。
<活動内容>
私たちの活動内容は大きく4つに分かれます。
- やさしい日本語の復習
井上里鶴准教授の指導のもと、やさしい日本語の基本や意識すべき点を復習しました。これにより、やさしい日本語の重要性を再確認し、実践的な知識を深めました。 - 酒蔵チラシの作成
現行のチラシを確認した上で、文章をやさしい日本語に書き換えました。ただ単に翻訳するのではなく、メンバー全員が多様な視点から内容を検証し、わかりにくい表現がないかを丁寧にチェックしました。また、背景デザインには「桜」と「松」を手描きで用い、2種類のチラシを作成しました。 - 動画制作
富士高砂酒蔵を訪問した際に撮影し、「西富士宮駅から高砂酒蔵までの行き方」と「おすすめのお酒紹介」という2本の動画を制作しました。動画内ではルビを付けたり、表現を工夫したりして、誰にでも理解しやすい内容に仕上げました。 - 富士宮市からの意見収集
A.C.C.国際交流学園とのオンライン交流会や、チャレンジハウスCHILLIN(チリン)での現地交流会を通じて、チラシの内容について日本語学習者や富士宮市の皆さんから意見を伺いました。これらのフィードバックを元に、チラシを改良し、さらに良いものに仕上げることができました。
活動を通じて、私たちは「人々の声を聞くことの大切さ」を学びました。やさしい日本語に変換するだけではなく、富士高砂酒蔵の魅力を伝えること、そして外国人観光客にとって分かりやすい内容にすることが不可欠でした。そのため、地域の方々や日本語学習者、酒蔵の皆さんなど、多くの方々の意見を参考にさせていただきました。その結果、自分たちでは気づけなかった新しい視点を得て、チラシを完成させることができました。
一方で、苦労したのは、チラシの見やすさを追求することでした。初めてのチラシ作成だったため、文字やルビの大きさ、色使い、レイアウトなどを工夫するのに多くの試行錯誤を重ねました。しかし、メンバー全員でアイデアを出し合い、何度も改善を重ねることで、最終的に納得のいくチラシを作り上げることができました。
今回の活動を進めるにあたり、現地で情報提供をしてくださった山梨学院大学グローバルラーニングセンターの影山陽子先生、お忙しい中ご協力いただいた富士高砂酒蔵の皆さまに心より感謝申し上げます。また、富士宮市の皆さま、A.C.C.国際交流学園の皆さまにも深くお礼申し上げます。私たちの多文化共生プロジェクトにご協力くださったすべての皆さまに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
大学内でやさしい日本語化について検討している様子
みんなで静岡県富士宮市に行ったときの様子
チャレンジハウスCHILLINにて交流会をしている様子
富士高砂酒造の見学をしている様子
文責・活動メンバー:国際学部 平尾 陸(代表・3年)、崔 秉洛(3年)、野口 紗也夏(3年)、張 又仁(3年)、李 欣怡(3年)
※本活動は「麗澤大学後援会自主活動支援」として活動を支援致しました。