～　『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、原作：暁佳奈,　監督：石立太一,　制作：京都アニメーション,　

放送：2018.1.11－2018.4.5 (TOKYO MX ほか）　～

　ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、暁佳奈による小説を原作とした、京都アニメーション制作のオリジナルテレビアニメ作品です。2018年1月から4月にかけて放送され、その美しい映像と感動的なストーリーで、国内外で高い評価を受けました。その後劇場版も制作され、2020年9月には完結となる劇場版が公開されています。

　私自身は2019年頃にたまたま「Netflix」で同作品を見つけて深く考えずに見始めたのですが、齢40歳を超えてからこんなに心を揺さぶられて涙を流す作品があるのかと思うくらい心を掴まれました。

　本作の主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、幼くして兵士となり感情を持たない戦争の道具として多くの敵兵を殺してきました。その結果彼女は感情を失い、言葉の意味を理解できなくなっていました。しかし手紙の代筆という仕事を通じて、人々の想いを伝えることで、自分自身も感情や愛を学んでいくことになります。本作は、主人公のヴァイオレットの成長と、彼女を取り巻く愛の物語です。

　本作品の魅力は主人公を通じて様々な人々の家族や恋人、仲間に対する想いや愛についてたくさん知ることができるということです。私たちは様々な出会いの中で様々な人の色々な気持ちに触れますが、知ることのできる気持ちや想いには限界があります。ですが、小説や物語を通してそれらを少しでも多く知ることはできますし、より多くの形で知れるのが同作品の素晴らしいところで、多感な時期の大学生諸君に観てもらいたいと思う理由です。

　最大の見どころは主人公が多くの人の人生を戦争で奪ってしまっていたことに気づき、深く傷つき悩んでしまうのですが、それを周りの人に支えられて乗り越えていくところです。このシーンを見た後に、きっと「明日も頑張ろう」と思えること請け合いです。また、作画のクオリティが高く、本当にきれいです。思わず見入ってしまうシーンも随所にあるので、これも見どころの一つです。

　これから寒くなり在宅期間も長くなる季節ですので、ぜひこの機会に同作品をご覧になってください。気温は寒くとも心はきっと温かくなると思います。

　大学事務局　学生相談室担当　石光俊明

＊この作品「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を図書館に推薦しましたが、図書館用DVDが販売されていないため、小説で所蔵することが決定しました。アニメでなく小説でOKという方は、図書館で借りて読むことができます。ぜひ、ご一読ください。