お知らせ
【開催報告】情報・データサイエンス・AIコンテスト(ReIDAC2023-2024)を開催
1月31日(水)に第3回「情報・データサイエンス・AIコンテスト (ReIDAC:Reitaku IT Service & Data Science & AI Contest) 」を開催いたしました。
本コンテストは毎年1月末に情報教育センターが主催しており、今回で通算22回目となります。多くの方に視聴していただけるようYouTubeでのライブ配信もおこない、前回同様ハイブリット開催としました。
1年生1件、2年生2件、3年生7件、4年生4件の計14件の発表があり、どの発表も素晴らしくユニークであり、学生と教員から様々な質疑が飛び交うコンテストとなりました。
本記事では5人の教員(吉田教授、千葉教授、横田准教授、中園准教授、新井助教)が指導した発表から8件を紹介します。
(AI部門)機械学習を利用したピ逃げ防止システムの提案
まずは、1年生ながら、新井助教の指導をうけた経済学部ビジネス専攻1年 鈴木悠治郎さんです。
「ピ逃げ(端末に学生証をタッチして授業には出席しない」を防止できる、顔認証付き出席管理システムをPythonで実装しました。顔認証の精度については自分の顔写真と似ている芸能人45名を対象に別人と判断できるかを検証し、その結果、一定の精度で顔の識別が可能であり、実用的なレベルで運用できる可能性が高いことが分かりました。
(ITサービス部門)0からできる3Dモデリング ー スケッチアップを使った教材の開発
次は、2年連続エントリー、新井助教の指導をうけた経済学部ビジネス専攻2年 西田明夏音さんです。
来年度以降、講義で使用することを目的に購入した、3Dプリンター用3Dモデリングの基本的な技術習得のための教材を作成しました。初心者にも分かりやすい教材を作り、それを使って模擬講義を行い、受講者からの事後アンケートをもとに受講後の理解度を分析するとともに教材の改善点を考察しました。
(アイデア部門)女子大生が本気でTikTokをバズらせてみる ーバズを作る手法に関する考察
次は、吉田ゼミ所属の経済学部経営専攻3年 佐孝未祐さんです。
自身のファッションスタイルを広く共有し、同じ趣向を持つ人々とのつながりを深めることを目指し、TikTokでバズる動画の特徴を分析しました。自ら動画を撮影・投稿し、視聴者からの反応を直接感じるとともにインサイトデータを分析し、より幅広く拡散できる手法を考察しました。
(AI部門)ラーメンの好みとパーソナリティのマッチングシステムの提案
次は、吉田ゼミ所属の経済学部AIビジネス専攻3年 吉冨太陽さんです。
ラーメン好きの吉冨さんならではのアイデアで、ラーメンの味やトッピング、麺の硬さや太さなどの好みに関するアンケートをとり、Python等を用いてラーメンの好みから性格要素を導き出すモデルを構築しました。性格診断結果は8タイプに分岐をさせ、GUIデザインはChatGPTを活用し作成しました。
(データサイエンス部門)麗澤大学生の満足度に影響を与える要因調査
次は、横田ゼミ所属の経済学部AIビジネス専攻3年 成島佳汰さんと木村優太さんです。
本研究では、麗澤大学生の学校生活に対する満足度や意見の把握、改善点の特定による学校全体の質の向上を目的として、先行研究から調査項目を検討し学生対象のアンケート調査を実施しています。
そして、結果の項目を因子分析し満足度要因を分類、得られた因子を説明変数、全体的満足度を被説明変数として重回帰分析を実施しました。結果として、まずは「授業の受けやすさ」「イベントの充実」を最優先項目であることがわかり、さらに、それぞれについて具体的な策の提案がありました。
(アイデア部門)教育の観点から見るAIとその展望 ー生成AIは如何なる使い方で教育発達を促すか
次は、中園ゼミ所属の国際学部日本学・国際コミュニケーション専攻3年 相田誠さんです。
大規模言語モデルを用いたChatGPT等の生成AIについて、教員と学生の使用状況と認識を調査から明らかにし、学習現場での使用の利点と問題点をまとめた上で、双方がこれから生成AIとどのように向き合えば学習効果が得られるのかを考察しました。
生成AIの活用ガイドラインを提示し、その範囲内での使用を許可している大学は多くあります。現時点では、学生はAIリテラシーとガイドラインを認識・理解することで、学生自身の自律性・自主性を養う必要があり、教員は学生に対しての課題設定と評価を見直す必要があると考えられます。
(データサイエンス部門)プロスポーツチームにおけるスポンサーシップがチームパフォーマンスに与える影響:Vリーグ2018-22のデータを用いた実証研究
次は、横田ゼミ所属の経済学部経営専攻4年 里見賢治郎さんです。
プロスポーツにおけるスポンサーシップがチームのパフォーマンスにどのような影響を与えるのかをVリーグ(バレーボールプロリーグ、現在全53チーム所属)のデータを用いて検証しました。いくつか仮説を立てて分析した結果、チーム名にスポンサー名が入っていると順位が上がりやすいことがわかりました。
(データサイエンス部門)ポストコロナにおける大学生の居場所はどこか ー居場所をどのように捉えているのかー
次は、千葉ゼミ所属の外国語学部英語コミュニケーション専攻4年 杉山優斗さんです。
コロナウイルスが流行した2020年から現在まで、オンラインから対面に切り替わるような変化のある学生生活を経験したポストコロナの学生たちの居場所はどこかについて調査しました。
調査者の性別、学年、居住形態等6種類の異なる属性と居場所の関係をフィッシャーの正確確率検定およびカイ二乗検定で分析したところ、顕著な有意差はみられませんでした。いっぽう、居場所と居場所のもつ心理的機能、居場所での行動と居場所の心理的機能に関連があるか分散分析をしたところ、ポストコロナの学生達の中には、コロナ前同様に他者との関わるための居場所をもつグループと、他者との関わりをもつことを必要としないグループの2つがあることが示唆されました。
やりたいことを実践する
学生達はゼミの時間に教員指導のもと、自分達で悩みながら研究テーマを設定し、試行錯誤しながら文献研究、調査、そして、システム開発などに取り組んできました。また、昨年末から予稿論文の準備をすすめ、担当教員からは何度も指導をうけながら論文を完成させ、さらに発表スライドの作成や口頭発表練習など、発表ぎりぎりまで準備を重ねてきました。
発表者は皆、大勢の聴衆の前で緊張しながらも自分の研究成果を立派に披露し、やり遂げたという充実感であふれていました。
ここでは紹介しきれなかった興味深い研究発表は多数あります。プログラムや原稿は以下のサイトにまとめられていますので、是非ご覧ください。https://sites.google.com/reitaku.jp/infopresen/