お知らせ
【学生の活躍】第3回「核なき未来」オピニオン賞の最終選考対象者に選ばれました。
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)が主催する第3回「核なき未来」オピニオン賞(U30の部)の最終選考に、自主企画ゼミナール※「戦争の記憶とサステナビリティ」に所属する本学外国語学部4年次生の阿部 真凜さん、立花 彩乃さん、3年次生の川津 せりさん、羽生 千夏さん、松本 桜季さんの論文が選ばれました。
川津さん、松本さんは昨年度に続いて2年連続の選出です。
※自主企画ゼミナールとは、学生が学びたいテーマを見つけ、 学生が自ら指導を受ける教員を選び、 何をどのように学習していくかについて、 該当教員の助言を受けながら決定し、 学習計画を立て、 その計画に従って進めていくゼミナール制度です。
(左から:立花さん、川津さん、松本さん、羽生さん、阿部さん)
自主企画ゼミナール「戦争の記憶とサステナビリティ」は、外国語学部の一年次科目「グローバルスタディーズ入門 B」(担当花田太平准教授)で学んだ近現代史に関
心をもった学生が立ち上げ、これまで日本の戦争に関する跡地や資料館を訪れるフィールド調査を実施してきました。
フィールド調査を通して、これからの世代に戦争を伝えていくことの大切さやその意味を理解すること、戦争を深く知ることを目的としています。また、日本からの視点だけでなく、他の当事者国(欧米諸国、ヨーロッパ諸国、アジア諸国など)からの視点も理解し、対話的な歴史学修のあり方も探求してきました。
「核なき未来」オピニオン賞は、若い世代に広く核兵器問題の重要性を訴えるとともに、平和な国際社会の実現に貢献できる人材の育成を図ることを目的とし、「核なき未来」に関するオピニオンを募集するものです。第3回目となる今年度のサブテーマは「核兵器に頼る国のリーダーへ」でした。
審査の結果、見事最終選考に残った5名の皆さんの論文テーマは以下の通りです。
5名の論文は、こちらのURLの長崎大学核兵器廃絶研究センターのHPに公開されています。
受賞者 | 論文タイトル |
---|---|
阿部 真凜 | |
立花 彩乃 | |
川津 せり | |
羽生 千夏 | |
松本 桜季 |
受賞者コメント
阿部 真凛さん
映画「オッペンハイマー」の大ヒットの影響もあり、今世界中で「
戦後オッペンハイマーは、
立花 彩乃 さん
怖くて難しいイメージを持っておりこれまで「戦争」という話題を避けていましたが、友人の紹介で今年から自主企画ゼミナール「戦争の記憶とサステナビリティ」に入りました。
広島でのフィールド調査の経験や、自然に戦争や平和に関する対話ができる環境に身を置くことで、自分1人で考えているだけでは浮かばない発想が出てきたり、新しい考え方を知ることができました。今回の論文は、自主企画ゼミナール1年目の私だからこそ書ける内容を取り上げたいと思い、ありふれた日常がいかに幸せに溢れているか、このかけがえのない日々を一瞬で奪ってしまうのが核兵器であることを訴えました。絵本のように読みやすい論調で執筆しましたので、私のようにこれまで「戦争」について触れる機会が少なかった方にも読んでいただきたいと思っています。
川津 せりさん
昨年6月に長崎県、今年8月には広島県で実施したフィールド調査で二人の被爆体験者の方からお話を聞いてきました。どちらの方も伝え方は違っていても「平和を逃さないで」「この体験を話しておかなければならない」という言葉を何度もくり返し仰っていることが印象に残りました。辛くて痛い想いをお二人が生の声で伝えてくださったことで、次世代へ戦争の記憶をつなぐためのバトンを渡されたと感じ、「記憶の継承」を論文テーマとして選びました。教科書で学ぶだけではなく、フィールドワークや対話を通じた体験型の平和学習は、戦争や核兵器を自分事化し、自分の言葉で語ることできるようになると実体験で学びました。このことから、論文では、「武力」ではなく「自己の語り」で核や戦争について他者と対話することこそが本当の抑止力であり、政治でもとり入れて欲しいということを訴えました。
羽生 千夏さん
この自主企画ゼミナールは、
松本 桜季さん
担当教員 花田准教授のコメント
このたび2024年のノーベル平和賞が、被爆の当事者団体である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与されることが決まりました。これまで地道に被爆当事者の語りを聞くために、広島へ、長崎へとフィールドワークを重ねてきた学生たちにとっても嬉しい知らせとなりました。戦後80年を眼前に、映画『オッペンハイマー』(C.ノーラン監督)への反響にもみられる通り、賛否を含んだ核問題と原爆被害への関心が、グローバルな規模で高まっています。参加学生たちは、日本は唯一の戦争被爆国として、この世界の声に応答する役割を期待されていると感じ、自ら活動を立ち上げ、対話と探究を深めてきました。今後の活躍を楽しみにしています。
関連リンク
- 広島でフィールドワークを実施 ~自主企画ゼミ「戦争の記憶とサスティナビリティ」~(2024年8月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/news/research/1777406/ - 【開催報告】麗澤SDGsフォーラム2023(2024年1月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/about/sdgs/all/sdgs-14/ - 【学生の活躍】第2回「核なき未来」オピニオン賞の最終選考対象者に選ばれました(2023年10月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/news/research/1776938/ - 東京でフィールドワークを実施ー自主企画ゼミ「ナガサキで考える戦争と原子力」(2023年9月・10月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/news/research/1776979/ - 自主企画ゼミ「ナガサキで考える戦争と原子力」長崎でフィールドワークを実施 (2023年6月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/news/research/1776865/ - 自主企画ゼミ「ヒロシマで考える戦争と原子力」広島でフィールドワークを実施(2022年6月)
https://www.reitaku-u.ac.jp/news/research/1776332/