遠藤 寛士
遠藤 寛士 (ENDO, Hiroshi)
職名
助教
学部
経営学部
学科
経営学科
専門分野

・経営戦略論
・経営組織論
・経営史
・管理会計

研究テーマ

・組織変革
・組織アイデンティティ
・タクシー産業におけるサービス差別化戦略

学歴

・一橋大学大学院商学研究科博士後期課程 修了
・一橋大学大学院商学研究科修士課程 修了
・亜細亜大学経営学部経営学科 卒業

取得学位

・博士(商学)(一橋大学)
・修士(経営学)(一橋大学)

受賞歴

・企業家研究フォーラム賞(論文の部)

主要経歴

・関東学院大学経営学部 非常勤講師(経営戦略論)
・有限会社エカ 取締役

学術論文

・「日本交通の組織変革 ─川鍋一朗によるサービス差別化と組織メンバーの主体性喚起─」 『企業家研究』第16号, 47-69頁 単著 企業家研究フォーラム (2019)

その他

・「組織成員による組織変革への主体的参画 ─組織成員のアイデンティフィケーションの変化過程─」2022年度組織学会年次大会,神戸大学(オンライン) 単独 組織学会 (2021年10月)
・"Incentive system with monitoring of organizational members: The success of Japanese taxi company Nihon Kotsu", Proceedings (full paper) of 2nd World Congress of Business History 単著 The European Business History Association and The Business History Society of Japan (2019年9月)
・"Incentive system with monitoring of organizational members: The success of Japanese taxi company Nihon Kotsu" 単独 World Congress of Business History 24th Congress of the European Business History Association and International Congress of the Business History Society of Japan, Nanzan University (online), Nagoya (2021年9月)
・「変革プロセスにおける計画的トップダウンと自発的行動 ─日本交通株式会社の創発的組織変革─」2019年度組織学会研究発表大会, 駒澤大学 単独 組織学会 (2019年6月)

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教員プロフィール

小売・流通業界で20年以上勤務をした後、2023年4月より麗澤大学経済学部経営学科へ着任しました。専門分野は、経営戦略論と経営組織論です。企業のトップマネジメントと従業員との間に生じるインタラクティブな現象に注目した研究を行っています。たとえば、ある企業の戦略の成功の理由を考えるとき、企業内での階層や役割の異なる様々なプレイヤーの立場から見ることで、「見方を変えれば、成功の理由も変わる」ことがわかることがあります。こうした実際の企業の経営を多角的な問題として捉えられるような視点を、学生の皆さんと共に学んでいきたいと考えています。

教職員への一問一答

好きな言葉(座右の銘)を教えてください。
「これから何を話すかを言い、いま何を話しているのかを言い、いま何を話したのかを言う」です。大学院時代に指導教員の先生から何度も教わった言葉で、プレゼンテーションをする際にも、論文を書く際にも、念頭に置いておきたい考えです。オーディエンスや読者にとどまらず、相手に対していかに自分の主張を明瞭に伝えていくのか。こうした考えは、幅広く他者との意思疎通に有用であり、コミュニケーションの極意の1つでもあると思っています。
休日の過ごし方や趣味を教えてください。
大学院に在籍していた頃から、研究室で作業をしていることが多いですね。それ以外は主に家族と過ごしています。一緒に料理をしたりすることもあれば、外出してお気に入りの店に食べに行ったり。大きな公園を散策するのも好きです。独身の頃はスクーバダイビング、ホエールウォッチング、軽登山を趣味にしていました。
大学4年間で「学生に訪れてほしい場所」はどこですか?その理由も教えてください。
自分の気の向く場所、自然と興味の沸く場所や、話をしてみたり聞いてみたりしたい人のいるところ、あるいは、そこへ行くのがたとえコストのかかることであってもそれが苦にならずに行きたいと思える場所です。そうした場所との「出会い」があったときには、自らの直感を信じて、そこへ訪れるまでの全てのプロセスを楽しんで欲しいと思います。
大学4年間で「学生に読んでほしい本」は何ですか?その理由も教えてください。
『シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術』(吉岡友治 草思社)です。レポートや論文を書く人に向けた書籍です。本書の特徴は、論文の作法や約束事に注目するよりもむしろ、タイトルの通り「考え方と書き方」に注目している点です。本の中では、そもそもの「論理的な考え方」と、「その考えの整理の仕方」、「整理した考えの言語化の仕方」、「言語化した考えの明瞭な伝え方とその順序」というようなことに関して、1つの文から1つの段落、文章全体の構成を通して、「何を考えて、書くのか」ということについて明瞭でわかりやすい説明がされています。学生の皆さんにとって、課題レポートや卒論などを書く際にもヒントになるでしょうし、その後の将来に関わるビジネスなどでも、こうした論理的な考え方とその伝え方はとても役に立つと思います。
専門分野に興味を持ったきっかけは何ですか?
実務での経験の中で感じていた問題意識がきっかけです。これまでの実務では、私は現場のロワーとしても、経営陣のマネジャーとしてもそれぞれの役割を経験しました。そうしたなか、たとえば親会社と子会社との間に戦略的意図のギャップがあったり、1つの企業の内部でも経営トップと現場の思惑がずれていたりするという実態を見てきました。こうした、いわゆる「乖離」や「ねじれ」が生まれるのは何故なのか? 戦略を打つ企業と、その戦略に従うはずの組織の間に何が生じているのだろう? そうした問題において、個人はどのように影響を受けて与えるのだろう? こうした問題意識から、戦略論と組織論の門戸を叩きました。
専門の研究は社会にどう活かされていますか?
経営戦略論と組織論の知見は、実際の企業経営にも数多く活用されています。一般に、「経営戦略」と「組織」は企業活動の両輪であるといわれ、この2つの関係は、よく、船で海を進む航海に例えられます。まず、経営戦略は、企業がどこを目指して海を進んでいくのかを方向づける「羅針盤」としての役割を持ちます。どの方向にいかにして進むのかという戦略が決まらないと、企業の航海は行き当たりばったりの危険なものとなってしまいます。一方の組織は、実際に企業が海を進んでいく「船」だといえます。企業がどんなに素晴らしい航海計画を立てても、その航路を進むことのできる船がなければ、航海は上手くいきません。
このように、実社会においても、ほぼ全ての企業がビジネスを成功させるために、「経営戦略」を通じて「どのような価値提供によって利益を得るのか」を決定し、その戦略を実行するために「組織」をマネジメントしています。